“元日本人”の在留資格は?

  • 2018.06.05 Tuesday
  • 11:04

まず、前回も触れましたが、日本は二重国籍を原則として認めていません。

「国籍法」第11条に、“国籍の喪失”について以下のように定められています。

 

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日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。

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つまり、日本国籍を所有する“日本人”が、何らかの理由でほかの国の国籍を取得した場合は、自動的に日本国籍を喪失します。

 

なお、両親が日本人と外国人である場合や、日本人同士だけども出生主義(注1)とする国で生まれた、等の事情により、日本国籍と外国籍の両方を持っている場合は、

22歳に達するまでに(外国籍と日本国籍を有することになった時は20歳以降である場合はそこから2年以内に)、いずれかの国籍を選択する必要があります。

(国籍法第14条より)

 

※1 出生主義とは、国籍取得において出生した国の国籍が付与される方式のことで、アメリカやカナダ等が出生地主義をとっています。日本は、「血統主義」で、出生時点において両親のどちらかが日本国籍を有していないと日本国籍の取得はできません。

 

さて、昨今増えている国際結婚ですが、

日本人女性Aさんは、アメリカ人と結婚して数年し、アメリカの市民権(アメリカ国籍)を取得しました。

Aさんは言います。

「私は、日本とアメリカの両方のパスポートを持っています。二重国籍です!」

 

果たして、本当にAさんは二重国籍なのでしょうか?

 

前述したように、日本の「国籍法」第11条では、「自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う」とあり、

つまり、自分の意思で外国の国籍を取得した場合は、届出の有無に関係なくその時点で日本国籍を失う、のです。

よって、Aさんは自分の意思でアメリカ国籍を取得しているわけですから、

アメリカ国籍を取得した時点で、日本国籍は喪失しており、二重国籍ではありません。

 

ただ、現実として、届出を行っていないと、戸籍や住民票等の情報がそのまま残っていることがあり、

それを利用して日本のパスポートを取得することが、現実には可能となることもあります。

このため、Aさんのように、日本とアメリカの二つのパスポートを持っている!ということになってしまうことも、在り得るわけなのです。

 

しかし、持っているからといって、法的に有効だとは限りません。

日本国籍を喪失しているにも関わらず、日本のパスポートを取得したり、更にこのパスポートを持って日本へ入国するなどした場合、

これは違法行為となります。

本来であれば、アメリカ人としてビザ免除期間内において短期滞在の在留資格で在留するか、日本人の子として、「日本人の配偶者等」の在留資格を取得して入国又は在留するか、が正しい方法です。

 

ただ、現状として、厳密に取り締まりは行われていないようで、Aさんのようなケースが散見されるのも事実です。

 

 

 

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婚姻と出生と国籍

  • 2018.03.13 Tuesday
  • 13:38

 

日本は、国籍について“血統主義”をとっています。

これは、出生時に父母のどちらかが日本国籍を有していることによって、日本国籍が与えられるというものです。

 

よって、日本人との“結婚”によって、外国人の配偶者に日本国籍が付与されることはありません

 

つまり、日本人男性と外国人女性が結婚した場合、

夫は引き続き日本国籍のままで、妻は引き続き外国籍のまま、ということになります。

ただし、日本人女性と外国人男性の婚姻の場合は、

結婚する相手の男性の国籍によって、必然的に(自動的に)夫の国の国籍を取得してしまう場合があるので、要注意です。(注1)

 

※注1 アフガニスタンやイラン、サウジアラビア等の国では、結婚によって夫の国籍を取得します。よって、当該日本人女性は、一時的に日本国籍と相手方の国籍の二重国籍となります。

しかし、日本は二重国籍を認めていないため、国籍を選択する必要があります。ここで、日本国籍を選択すると外国籍を喪失し、外国籍を選択すると日本国籍を喪失します。

 

 

日本国籍である者には、“戸籍”があります。

日本人同士が結婚した場合、戸籍の身分事項に“婚姻”の記載と、婚姻日、配偶者氏名、従前戸籍地等が記載されます。

更に、婚姻により夫婦は同じ戸籍となるため、

“戸籍に記載されている者”として、配偶者の氏名や生年月日、父母の名前や出生の情報等についても記載されます。

しかし、日本人と外国人が結婚した場合、日本人の戸籍の身分事項の欄に“婚姻”の記載がされ、婚姻日や配偶者の氏名、国籍、生年月日等が記載されますが、

“戸籍に記載されている者”とはなりません。

 

 

また、日本は血統主義をとっているため、

出生時に父母のどちらかが日本国籍を有していれば、生まれた子は日本国籍を取得することになります。

これは、日本で生まれても外国で生まれても、同様です。

 

しかし、外国人夫婦の子が日本で生まれても、日本国籍を取得することはできません。

 

 

 

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【報道】「不正入国」偽装結婚による逮捕

  • 2017.12.21 Thursday
  • 11:22

偽装結婚により不正に入国したとして、

韓国人の女らが警視庁に逮捕されたとの報道がありました。

 

女(43)らは、2017年4月に日本人の男(65)と結婚しているように装ってビザ申請を行い、

在留資格(日本人の配偶者等)の許可を不正に受けた疑いがもたれています。

 

報道(FNN)は次のように伝えています。

「2人は偽装結婚が発覚しないよう、互いの家族をそれぞれの国に招待し、

家族写真を撮るなど偽装工作をしていた。」

「入管難民法は2016年、結婚の実態がないのに在留資格を申請しただけでも罪に問われるよう改正され、

その規定が適用されるのは、今回が初めて。」

 

 

上記でいうところの入管法改正は直近の2016年11月改正を指します。

同改正(2017年1月1日施行)では、『介護』ビザの新設に加え、

偽装滞在者対策の強化が図られました。

 

具体的な改定点は下記2点です。

 

・偽装滞在者に係る罰則の整備

・在留資格取消制度の強化

 

上記のうち、今回の報道で取り上げられているのは前者(罰則)です。

改正入管法では次のように規定されています(赤字・太字引用者)。

 


第九章 罰則
第七十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは禁錮若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。
一 第三条の規定に違反して本邦に入つた者
二 入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
二の二 偽りその他不正の手段により、上陸の許可等を受けて本邦に上陸し、又は第四章第二節の規定による許可を受けた者

(以下省略)


 

今回の改正で上記太字の「二の二」号が新たに加わったことで、

偽装結婚等による虚偽申請によりビザを取得した者は罰則の対象になりました。

 

★ここで注意すべきなのは、この規定はもちろん偽装結婚に限ったことではありませんし、

上陸許可(在留資格認定証明書交付申請)の場面だけではないという点です。

 

前掲の規定にあるように「第四章第二節の規定による許可」、

具体的には下記許可もすべて対象に含まれるのです。

 

・在留資格の変更許可を受けた者
・在留期間の更新許可を受けた者
永住許可を受けた者 等

 

さらに、

営利目的でこのような行為を行うことを容易にした者(つまり手助けをした者)については、

通常の幇助犯処罰の刑(正犯の法定刑の半分)よりも重い3年以下の懲役又は300万円以下の罰金のいずれか又は両方を科すものとされています(入管法第七十四条の六)。

 

虚偽申請は、れっきとした“犯罪”ということです。

そのため、当然のことながら、真実に基づいた情報を正しく申告し、

公正な書類により証明していくことが何よりも大切です。

 

今回の逮捕は、残念ながら氷山の一角のように思えてなりません。

 

 

 

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